「第31回 全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会IN愛媛」に参加しました。|よこすか中央法律事務所|横須賀 弁護士

コラム

よこすか中央法律事務所 弁護士&スタッフ コラム     (2011.11)

「第31回 全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会IN愛媛」に参加しました。

  当事務所は,平成23年11月26日から愛媛県松山市で開催された「第31回 全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会IN愛媛」に 事務所のスタッフ10名全員で参加いたしました。

 当事務所におきましては,「自己破産」,「任意整理」,「個人再生」,「過払金」等,借金とその解決に関する問題,いわゆる「債務整理事件」については 特に力を入れて対応してきましたが,法律の実務というものは,法令や判例,あるいはその運用というものが常に変化していくもので, 特に,この「債務整理事件」については,常に最新の事例や情報を収集するよう努力していかないと,とてもではありませんが, 「最先端」と呼べる対応は出来なくなってしまうものです。

 そのため,当事務所では,毎年春〜初夏に実施される「クレサラ実務研究会(よく「実務研」と略されます。)」と,毎年秋ころに実施される 「全国クレサラ・ヤミ金被害者交流集会(こちらは「クレサラ大会」等と略されます。)」の2種類の会合には, 事務所創設以来10年間,欠かさず参加してきた実績があります。

 いずれの会合も,「全国クレジット・サラ金問題対策協議会(クレサラ対協)」や,全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会(被連協)等の専門団体が 主催している集会・研究会であり,債務整理事件についての日々の研究を怠らない弁護士や司法書士,そしてそのスタッフはもとより,クレジットサラ金 「被害者の会」の相談員,被害者の方々が全国から集まって,最新の判例や当面の課題の克服方法等について,その実践結果や研究内容を発表する活動を 続けています。
 イメージとしては,いわば,お医者さんの業界における「学会」みたいなものだと思っていただければよいのではないかと思います。

 当事務所は,この2つの会合に,弁護士だけでなく,スタッフも含めた「全員」で参加することにしています。経費なども考えると, 正直なところ,その負担はなかなか大変ではあるのですが,「事務所のすべての人員が,最先端の情報と技術に接して, その習得に努めることにより,借金の問題に悩んで当事務所を訪れるすべての相談者の強い力となれる。」と考え,毎回,欠かさず参加してきたのです。 

 そして,今年の春の「実務研」は京都で行われ,11月に愛媛県松山市で開催された「クレサラ大会」にも,事務所メンバー全員で参加しました。

 今年のクレサラ大会は「愛媛大学」のキャンパスを借りて行われました。  初日は,11月26日(土)の午後1時から午後5時30分まで,途中にトイレ休憩があるだけのタイトなスケジュールの中,盛りだくさんで濃密な勉強の 時間を過ごしました。
 当日のプログラムは,複数の分科会が前半の部と後半の部に別れて行われ,スタッフがそれぞれ担当する分科会を決めて参加しました。
 具体的には,前半の部においては,
 ・ 「いきるを支える〜精神保健と社会的取り組み,相談窓口連携の構築に向けて〜」
 ・ 「生活保護利用者200万人時代の声を聞け! 〜当事者による運動を進めるために〜」
 ・ 「民法(債権法)改正と保証人保護」
 ・ 「震災を考える市民フォーラム」
 の各分科会に参加しました。

後半の部においては,
 ・ 「クレサラ裁判実務の諸問題」
 ・ 「司法書士的観点から見る昨今の貸金業者の組織再編」
 ・ 「なくせ! 連帯保証〜保証人被害を生まない民法改正を目指して」
 ・ 「今日のクレジット被害の傾向と対策。地方消費者行政の充実に向けて」
 ・ 「過払い逃れを許さない 武富士と武井一家の責任を徹底追求しよう!」
 ・ 「ギャンブル依存を考える」
 ・ 「債権譲渡とサービサー」
 ・ 「ヤミ金融・システム金融を撲滅するために」
 等の各分科会に参加しました。

 ヤミ金やシステム金融の問題,債権譲渡の問題など,長年にわたって調査,研究,体験報告がなされてきている論点や,生活保護受給者の増加や 震災に関する問題など,比較的最近になって取り上げられるようになった論点もありました。また,民法改正などの大きな論点(この分科会では, 法制審議会部会幹事である,早稲田大学の山野目章夫教授から,民法改正の現状について講義がありました。)もあって,議論は多岐に及びました。

 保証人問題を考える分科会では,奨学金制度について,最近,新たな問題が生じているとの報告を受け,大いに驚かされました。奨学金制度とは,経済的に恵まれない学生に 長く利用されてきた制度であり,利潤を求めない貸し付けで,学生が社会人になった後,少しずつ返済することのできる手続きです。 大抵の場合,学生の親や親戚,親の親しい友人などが連帯保証人になるケースが多いのですが,「旧・育英会」時代には特にトラブルを聞くことは あまりなかったところ,現在の組織である「学生支援機構」は,主債務者である元学生が支払いをしなくなってしまった古い貸し付けについて, 保証人に対し,突如として請求をかけてくる,という行動をとるようになったようです。
 しかも,学生支援機構としてきちんとした債権管理をしてこなかったために,債権自体は,既に,部分的にあるいはそのほとんどが法律的には消滅時効に かかっているにもかかわらず,そういう事情について知りながら,突如,連帯保証人に対し,利息・損害金を加えた高額な支払いを迫ってくる, というのです。支払いをしないと訴訟まで提起してくるようで,金額も高額であるため,非常に悪質ではないか,という報告でした。
 既に40代になっている「元学生」の「元保証人」に対してもこのような請求がされており,大変問題があると考えられますので,当事務所でも, 直ちに同種のご相談に乗れるよう準備を進めることとしました。
 大会のすべてについて,この場でご説明することはとてもできないのですが,当事務所におきましては,大会参加後,事務所内で報告会を開催し, 各人が担当した分科会の内容についてレクチャーしあって,より知見を広めているところです。

 大会終了後は,当事務所恒例の観光旅行をいたしました。
 松山市は,NHKのスペシャルドラマで最終章を迎えつつある司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」の登場人物である,秋山真之,好古兄弟,正岡子規の 出身地ですので,今まさにキャンペーンが盛り上がっているところで,「松山城」や「坂の上の雲ミュージアム」は大いに賑わっていました。
 さらに翌日は,松山からフェリーで広島入りし,日本三景のひとつ,安芸の宮島に宿泊しました。夜には,船に乗って厳島神社の大鳥居をくぐるナイトクルーズに 参加することができ,神秘的な経験をすることができました。

 最終日は,レンタカーで一気に山口県岩国市の「錦帯橋」 まで足を伸ばした後,広島市内に戻って原爆ドームと平和記念資料館を見学しました。 原爆ドームを見学していたところ,被爆二世の方からレクチャーを していただくことになり,原爆による内部被曝の問題などを教えてもらうことができました。大変貴重な体験でした。

 帰りは,新幹線を利用しましたが,広島駅ビルの名店でいただいた本場のお好み焼きは大変美味でした。
 研究会参加だけでなく,県をまたいだ観光もし,相当に強行軍であったのですが,勉強も余暇も大満足な二泊三日でありました。
 今回の報告は以上のとおりですが,このコーナーにおきましては,「クレサラ実務研究会」と「クレサラ・ヤミ金被害者交流集会」への参加報告を中心に, 当事務所の活動状況について随時載せていきたいと考えております。

佐藤進一


copyright(c) よこすか中央法律事務所 All Rights Reserved.